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白描 源氏物語

【第七帖】紅葉賀(もみじのが)

■本日の帖

「『儺(な)やらふ』とて、犬君(いぬき)が、これをこぼち侍りにければ、つくろひ侍るぞ」とて、 「いと大事」とおぼいたり。

■現代語訳

「おにやらいをするといって、いぬきがこわしてゆきましたから、繕っておりますの」と、おもちゃの 御殿が壊れたのを、大事件のように思っていらっしゃいます。

■鑑賞

十月(かんなづき)の頃、朱雀院(すざくいん)の紅葉賀(もみじのが)に先立ち、御前での試楽が催されました。源氏の君は御前で青海波(せいがいは)をお舞いになります。 藤壺の宮の懐妊をお喜びになる桐壺帝ですが、実は源氏の君との許されぬ恋の子。 それは誰にも知られてはならぬ秘密でした。 禁じられた恋に、源氏の君の心はあやしく乱れます。正妻の葵の上との仲はすっかり冷え切り、 若紫の姫君と過ごす時間だけが、心安らぐ時間でした。 二月(きさらぎ)の頃、藤壺の宮は玉のような皇子(冷泉帝)をお生みになります。皇子はやはり源氏の君に生き写し。 藤壺の宮は帝の寵愛めでたく中宮(皇后)となりますが、弘徽殿(こきでん)の女御(にょうご)と右大臣家は、心穏やかではありません。