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白描 源氏物語

【第五十四帖】夢の浮橋(ゆめのうきはし)

「昔のこと思ひ出づれど、さらにおぼゆることもなく、あやしう、いかなりける夢か」

■現代語訳
「昔のことを思い出そうとしても、まるで何にも思い浮かばず、夢のような出来事と仰られてもどんな夢であったのかもわからないのです」(浮舟の君)

■鑑賞 薫の君は比叡山に横川の僧都を訪ね、浮舟の君が助けられ、出家したいきさつをお聞きになりました。ことの次第を知った僧都は驚き、還俗を復縁をすすめるお便りを差し上げます。薫の君も浮舟の君の異父弟・小君を文使いに向かわせます。死のうと思っていた時にも忘れられなかった、かわいい大切な弟君。浮舟の君は母君を懐かしく思い出して涙にくれますが、
「お引き取りください。お人違いであったなら、まことに不都合なことです」
と、お手紙を受け取ることを拒みます。姉君にお会いすることもできず、小君は帰京するしかありませんでした。
報告を受けた薫の君は、その心をはかりかねます。
「もしや誰かが人目につかぬよう、浮舟を小野に囲っているのでは・・・」
と、物言わず泣いていた浮舟の君の心も知らず、お疑いになるばかりなのでした。