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白描 源氏物語

【第五十三帖】手習(てならい)

「身を投げし 涙の川の 早き瀬を しがらみかけて 誰か止めし」

■現代語訳
身を投げた涙の川の早き瀬を誰がわざわざしがらみをかけて、私が死ぬのを止めたのでしょう。(浮舟の君)

■鑑賞 浮舟の君は生きていました。
あの夜、激しい風と川波の轟音に恐ろしくなり、
「鬼でも何でも私を食い殺してしまっておくれ」
と泣き叫ぶと、化生が現れ、正気を失ってしまったのでした。
半狂乱の浮舟の君を助けたのは、比叡山の高僧、横川(よかわ)の僧都(そうず)の一行でした。僧都の妹尼は、長谷観音に授けていただいた亡き姫のかわりと慈しみ、比叡山麓の小野の家に引き取り、手厚く看病いたします。その甲斐あって、意識をとりもどした浮舟の君は、念仏修行の合間に、とりとめもなく手習歌を書きながら、来し方を振り返るようになりました。
妹尼の亡き姫の夫・中将が浮舟の君を見初めますが、浮舟はそうしたことに厭わしさをつのらせるばかりで、妹尼が長谷詣でに出かけた隙に、小野に立ち寄った横川の僧都に願い出て出家してしまいます。出家した浮舟の君は、ようやく心の安らぎを得た思いです。 あるとき、上京して宮中でのお勤めを果たした横川の僧都は、明石の中宮に、宇治で助けた女についてお話します。
この話を伝え聞いた薫の君は、浮舟の君だと直感します。