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白描 源氏物語

【第四十四帖】竹河(たけかわ)

昔より争ひたまふ桜を賭物にて、「三番に、数一つ勝ちたまはむ方に、花を寄せてむ」と、戯れ交はし聞こえたまふ。

■現代語訳
昔から姉妹で争っておられるあの桜を賭物に、 「三番のうち、先に二勝した方に、花を譲ることにしましょう」 と、おふざけを言い交わしていらっしゃいます。

■鑑賞

玉鬘さまは今は亡き髭黒(ひげくろ)さまとの間に、三人の若君、二人の姫君をもうけていらっしゃいました。 しかし髭黒ご一族にかつての勢いはなく、今が盛りのお庭の桜の花を見るにつけても、華やかなあの頃がしのばれるばかりです。 この桜は、まだ幼い姫君たちが、
「わたしの桜よ」
とよく姉妹げんかになった思い出の木。
「今日こそ決着を」
と、お美しい姉妹は努めて明るくふるまい、桜を賭けて、碁の遊びにお興じになります。 さて、一の姫君にはたくさんの求婚者がおいででしたが、 玉鬘さまは若い頃の償いもこめて、冷泉院さまのお側に差し上げます。 しかし先にお妃になっていた弘徽殿女御(こきでんのにょうご)のご嫉妬は激しく、いたたまれず、お里に帰ってしまいます。娘のその気苦労の多い宮仕えを思うにつけ、玉鬘さまは嘆きになったということです。