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白描 源氏物語

【第三十四帖】若菜(上)(わかな)

猫のいたく鳴けば、見返りたまへる面もち、もてなしなど、いとおいらかにて、若くうつくしの人やと、ふと見えたり。

■現代語訳
猫がひどく鳴くので、振り返られた女三の宮の顔つき、身のこなしなどは、まことにおっとりとしていて、若くかわらしい方だと、すぐに察せられました。

■鑑賞

その頃、源氏の大殿の兄上、朱雀院は病気がちで、ご出家をお考えでした。 心残りは、最愛の姫君、女三の宮(おんなさんのみや)さまのことです。 螢宮さま、夕霧さま、柏木さまが花婿候補にあがりますが、尋常の臣下では差し障りあろうと、朱雀院は源氏の大殿への降嫁(こうか)を思し召しになります。
源氏の大殿は最初こそご辞退なさいましたが、女三の宮はあの藤壺の宮の姪御にあたられる方。 恋情今もやみがたく、結婚をご承諾申しあげるのでした。紫の上は動揺しました。身分差のため北の方の座を失うからです。
源氏の大殿は、女三の宮のあまりの幼さにご失望になり、かえって紫の上への愛をお深めになるのですが・・・。
さて、女三の宮への求婚者のお一人だった柏木さまは、ご降嫁の後も、姫宮さまを忘れられずにいらっしゃいました。 桜花の頃、六条院で蹴鞠が催された折り、逃げ出した唐猫が御簾をかきあげてしまい、柏木さまは女三の宮さまを垣間見てしまいます。無防備で疑うことを知らず、そのあどけなくも可憐なお姿。柏木さまはわが恋情の報われたしるしかと、思い乱れるのでした。