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白描 源氏物語

【第三十三帖】藤裏葉(ふじのうらば)

男君は、夢かとおぼえたまふにも、わが身いとど厳しうぞおぼえたまひけんかし。 女は、いとはづかしと思ひしみてものしたまふも、ねびまされる御ありさま、いとど飽かぬところなくめやすし。

■現代語訳
若君は、夢見心地の中にも、自分を褒めてやりたいような誇らしいお気持ちでいらっしゃったことでしょう。
姫君は恥ずかしがってお顔を隠そうとなさいますが、大人びて弾けんばかりのお美しさは、いつまでも見つめていたくなるほどです。

■鑑賞

四月の初め、内大臣(頭の中将)は、藤花(とうか)の宴に夕霧の若君をお招きになります。 ついに雲居雁(くもいのかり)の姫君との結婚をお許しになったのです。 六年ぶりの再会を果たしたふたりは、ようやく結ばれます。
四月の二十日過ぎには、明石の姫さまが春宮(とうぐう)のもとにご入内なさって、これを機に紫の上は、その後見役を実母の明石の君とお代わりになりました。 八年ぶりの姫さまとのご対面に涙を流す実母の明石の君と、これまでその成長を見守ってきた紫の上。 源氏の大殿を支え抜いてきた、美しくも誇り高い二人の女性の、これが初めてのご対面でした。
源氏の大殿は太上天皇(だいじょうてんのう)(上皇)に准ずる御位(みくらい)を得て、六条院に冷泉帝・朱雀院が行幸になる大変なご名誉をたまわります。 六条院は今が栄耀の極みかと思われました。