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白描 源氏物語

【第三十二帖】梅枝(うめがえ)

花の香は 散りにし枝に とまらねどうつらむ袖に あさくしまめや

■現代語訳
「この花のお香は、花の散った枝と同様の私の身には役立ちませんが、姫さまのお袖にお移しになれば、奥ゆかしく香り立つことでしょう」
(朝顔の君)

■鑑賞

おんとし十一歳の明石の姫さまの裳着(もぎ)のご支度で、六条院の御方々はご多忙を極めていました。 春宮(とうぐう)への入内(じゅだい)を控えた最愛の姫さまの晴れ舞台に、源氏の大殿は薫物合(たきものあわせ)を思い立ち、女君たちにその調合をご依頼になります。
前斎院(さきのさいいん)・朝顔の君からも、紺瑠璃(こんるり)・白瑠璃(しろるり)の香壺(こうご)に入れた 薫物(たきもの)が贈られ、螢宮(ほたるのみや)を判者にお迎えして、薫物合が行われました。 夜には宴になり、翌る日の裳着の式は、この上もなく時めいて華やかなものになりました。 しかしご嫡男の夕霧さまは、雲居雁の姫君が忘れられず、今もおひとりのままです。
源氏の大殿は、若君にいくつかのご縁談をおすすめになり、
「男がいつまでも身を固めないでいるのは、世間の邪推をまねき、つまらぬ女でしくじるだけだ」
と、お諭しになります。若君の縁談のお噂に、雲居雁の姫君はお嘆きを深めるのでした。