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白描 源氏物語

【第二十八帖】野分(のわき)

ここかしこの草むらによりて、いろいろの籠(こ)を持てさまよひ、撫子(なでしこ)などのいとあはれげなる枝(えだ)ども取りもてまゐる。

■現代語訳
「ここも」「あそこも」と女童(めのわらわ)たちが草むらに近づいては、色とりどりの虫籠を持ってあちこちへ。撫子などの、野分(のわき)が吹き荒らしていった痛々しい花の枝を折り取っては、中宮の御前にうかがいます。

■鑑賞

その八月(はつき)、六条院は激しい野分(のわき)に見舞われました。 おんとし十五の夕霧の若君は、風のまぎれに紫の上を垣間見て、その美貌に心奪われます。 父君のお使いとして、秋の御殿に秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)のお見舞いに参上すると、中宮さまは、女童(めのわらわ)たちを庭におろして、虫籠に草木の露を移させていらっしゃるところでした。 中宮さまの美しく気品のある佇まいに、若君は紫の上や雲居雁(くもいのかり)を思い出して、切ないお気持ちです。
その後、源氏の殿は若君を連れて、玉鬘をお訪ねになりました。 源氏の殿は風のお見舞いにかこつけても懸想の戯れ言をうるさくおっしゃって、
「このようにいつも私をお困らせになるばかりですので、昨夜の風に連れられて、どこかへ行ってしまいとうございましたわ」
と、ごきげんを悪くされた玉鬘を、
「飛んでいきたいとは、さてはお目当ての人がおありに違いない」
と、軽くいなして抱き寄せる源氏の殿と、玉鬘も素直に寄りかかっておられます。
父娘とも思われぬあまりの仲むつまじさに、不審を感じながらも、若君は玉鬘の美しさに魅了されてしまうのでした。