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白描 源氏物語

【第二十七帖】篝火(かがりび)

篝火(かがりび)に たちそふ恋の 煙こそよには絶えせぬ ほのほなりけれ

■現代語訳
「この篝火とともに立ちのぼる恋の煙こそは、いくつになっても燃え尽きることのない私の恋の炎だったのです」
(光源氏)

■鑑賞

内大臣の今姫君(いまひめぎみ)・近江の君のうわさが、世間におもしろおかしく広がっています。
「ご落胤(らくいん)だなどと、ものものしく取り立てておきながら、気に入らぬとなれば、世間の笑い物にしておくとは。内大臣も情に欠けることよ」
源氏の殿は近江の君に同情していました。
(父上に引き取られていたら、私もどうなっていたことでしょう)
玉鬘は源氏の殿の庇護をありがたいものに思い、次第にお心をお許しになっていきました。 秋の夕まぐれ、琴を枕に、源氏の殿は玉鬘と添寝をなさいますが、それ以上のことはなさらず、ただ篝火の煙になぞらえて断ちがたい恋情を訴えるのでした。
玉鬘は、顔をそむけて、
「そんな煙のような恋ならば、空にあとかたもなく消し去ってくださいませ」
と、消え入るような声で答えるのが精一杯でした。