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白描 源氏物語

【第二十一帖】少女(おとめ)

「恋(こひ)しとはおぼしなむや」とのたまへば、すこしうなづきたまふさまも、幼げなり。

■現代語訳
「私を恋しくお思いですか」と若君がおたずねになると、こくんとうなずくようすが、あどけないのです。

■鑑賞

源氏の殿の嫡男・夕霧の若君(葵の上の子)が、おんとし十二歳で元服なさいます。 源氏の殿はあえて若君を六位におしとどめ、大学寮で学ばせました。 「漢才(からざえ)(学問)をもとにしてこそ、大和魂(やまとだましい)(実務能力)も活かされるものだ」 若君はこの厳しい教育方針を恨めしく思いながらも、学問に励み、その期待に応えました。 その頃、斎宮女御(さいぐうのにょうご)が立后(りっこう)して、秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)とおっしゃいます。わが姫の弘徽殿女御(こきでんのにょうご)が先を越されたことに、内大臣(昔の頭の中将)は無念でならず、今度は雲居雁(くもいのかり)の姫君を春宮妃(とうぐうひ)(皇太子妃)に奉ろうとなさいます。 しかし姫君は、おばあさまの大宮の邸で一緒に育った、いとこの夕霧と幼い恋を育んでいたのです。 それを知るや、内大臣は激怒して、姫君を強引に自邸に引き取り、その仲を引き裂いてしまいます。 幼い恋人たちの嘆きをよそに、源氏の殿は今や太政大臣の位を極め、翌々年の八月、四季の庭を配した町々から成る壮大な豪邸、六条院が落成します。