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白描 源氏物語

【第十九帖】薄雲(うすぐも)

「入日さす 峰にたなびく薄雲は 物おもふ袖に 色やまがへる」

■現代語訳
「あの黄昏の峰にたなびく薄雲も、あの方の死を悼んでくれているのだろうか。 私の喪服の袖と同じ、悲しみの鈍色(にびいろ)に改まってくるなんて」(光源氏)

■鑑賞

明石の姫さまが、二条院に迎えられることになりました。 母君の袖をつかまえ、「早くお乗りになって」と、これが母子の別れとも知らずお迎えの車に無邪気によろこぶ姫さま。明石の君は別離の悲しみに、涙が止まりません。 紫の上はその母の悲しみを思い、愛らしい姫さまを、実のお子のように慈しまれます。 翌年の春、源氏の殿に深い悲しみが訪れました。 藤壺の尼宮が、おんとし三十七歳で身まかったのです。源氏の殿は、かつての花の宴の折などをお思いになるにつけ、一日中泣き暮しておられます。夕日がはなやかに射し、雲の薄くたなびいているのが鈍色なのを、しみじみとごらんにならずにはいられないのです。 護持(ごじ)の僧から、ご出生の秘密を知らされた帝は、父を臣下としてきた不孝の罪におののき、 御位(みくらい)をお譲りになろうとほのめかしになりますが、源氏の殿はかたくなにご辞退申しあげるのでした。