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白描 源氏物語

【第十一帖】花散里(はなちるさと)

たちばなの香をなつかしみ郭公(ほととぎす)花散る里をたづねてぞ訪とふ

■現代語訳
「昔の人を思い出させる橘の香が懐かしいのでほととぎすはこの花の散るお邸を捜してやってきました」(光源氏)

■鑑賞

世の中は何もかも無常と、引きこもりがちの源氏の君でしたが、 五月雨(さみだれ)の空が珍しく晴れたある日、亡き父帝(桐壺院)の女御(にょうご)、麗景殿女御 (れいけいでんのにょうご)のお邸へと、お出かけになります。 その妹君の三の君(花散里)は、かつて宮中において源氏の君と思いを交わした人でした。 橘の花がかぐわしく咲きほころぶお邸で、女御との昔語りに、源氏の君はしばし桐壺院の御世を 懐かしみました。その後、さりげなく花散里のお部屋をお訪ねになります。花散里は、永い途絶えの恨みも辛さも、源氏の君のお顔を見ただけで忘れてしまったかのようです。 今も変わらぬ花散里の優しさに、源氏の君は一時の心の安らぎを覚えます。