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【70】侍女は見ていた


今回は貴族女性の生活を支えた侍女の働きについて。



◆逢瀬に欠かせない侍女の手引き


セキュリティの甘い時代だったとはいえ、
男が女の寝所にたどり着くためには誰かの手引きが必要でした。
その役目を担っていたのは、ほとんどの場合侍女だったようです。
そしてその手引きは、ときに男女の運命を左右するほどの
大きい影響力を持つものでした。

日が暮れると、男は女の家の前まで行って
しわぶき(=咳ばらい)をします。
それを合図に侍女が内側から戸を開け、男と従者を招き入れます。

なぜ従者がと思うかもしれませんが、
貴族男性は単独で行動することはなく、
騎馬であれ徒歩であれ、必ず従者が同行しました。
従者は逢引きにも随い、主君が翌朝女君の寝所から出てくるまで、
近くに控えていなければなりませんでした。

侍女も同じように、朝まで主君である女君の側近くに控えていました。
従者と侍女はともに主君の生活の一部始終を
把握していたことになります。

ことに侍女の場合は、
一人では何もできない女君を四六時中世話しているわけですから、
すべてを見ていたと言っていいでしょう。

貴族にとって、自分のことを自分でするのは美徳ではありませんでした。
身長より長い髪のシャンプーはしかたないとしても、
手紙の受け渡し、化粧、着替え、食事からトイレの始末まで、
侍女たちにしてもらうのが貴族の生活だったのです。



◆侍女が男を品定め


男が女君との交際を望むとき、
文の使い(ふみのつかい)に手紙を持たせて女君のもとに遣わします。
最初に手紙を受け取って読むのは侍女です。
返事を書くのも侍女で、女君にはすぐには書かせません。

しばらくじらしておきながら男の評判を調べ、
女君に会わせてもよい人物かどうかの品定めを行なった後、
合格であれば直筆の返事を書くように奨めます。
手紙は駆け引きのツールでもありましたから、
不首尾がないよう書き方の指導をすることもありました。

男はこれほどの侍女の権限を無視できず、
その扱いにはそうとう気を遣っていたようです。
侍女に嫌われたら目指す女君に会うことはできません。

また侍女は女君のすべてを知っているので、
男は容貌から性格、趣味や癖にいたるまで、
細かく聞き出そうとしました。

侍女からすれば自分次第で女君の評価が決まるので、責任重大です。
自分の衣装のセンスが悪くて受け応えがおバカだったりすると
主(あるじ)の女君も同じだと思われてしまうかもしれません。

女君の親にしても侍女の人選は最大関心事の一つでした。
機転が利いてやさしくて教養があっておしゃれで、
さらに美人でもある女性は引っ張りだこだったのです。