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源氏物語【50】夢の力

【50】夢の力


今回は夢の役割りについて見てみましょう。



◆夢の知らせ


シェイクスピアの『ハムレット』では
亡き父王の亡霊がハムレットに新王の悪事の真相を知らせ、
物語の展開に重要な役割りを果たします。

『源氏物語』の「明石」の巻では
故桐壺院の亡霊が人々の運命を左右するほどの影響を及ぼします。
ハムレットの父は現実の姿となって現れますが、
院の亡霊が現れるのは光源氏や朱雀帝の夢の中。
しかし源氏たちは、それが現実だったかのように対応しています。

かつて夢は大きな力をもっていました。
夢は遠く離れた恋人や亡き人との、また目に見えぬ神仏との、
いわば通信回路と考えられていたのです。

そんなことから、
積極的に夢を見ようという考えが生まれました。

法隆寺の夢殿は聖徳太子がそこで夢を見るために造らせたものといい、
夢占いをする場所だったことをうかがわせます。
『今昔物語集』などにはここで瞑想したと書いてありますが、
夢にかかわる聖なる空間だったことはまちがいなさそうです。

親鸞が京都の六角堂に籠っていたとき、夢に
観音の化身である聖徳太子が現れたという伝えもあります。
夢殿は八角、こちらは六角、
どちらも特殊な形状をしているのが興味深いところです。


◆聖なる夢を見るために


観音験(しるし)を見する寺
清水(きよみず) 石山 長谷の御山
粉河(こかわ) 近江なる彦根山
間近に見ゆるは六角堂
(梁塵秘抄 巻第二)

上記の歌は当時の代表的な観音霊場を詠ったもの。
『源氏物語』にも出てくるように、
平安時代は観音への物詣(ものもうで)が
盛んに行われていました。

絵巻などを見ると、参籠(さんろう)した人々は
本堂の参拝スペースに畳を敷いたり几帳を立てたりして眠り、
夢のお告げを待っています。
神仏の意思、言葉は夢を通じて伝えられるのです。

夢は真実を語ると考えたわけですから、
夢を解読するのが専門の陰陽師(おんみょうじ)や
他人に代わって夢を見る夢見法師が職業として成り立ち
、 夢の売り買いや盗難の話も生まれました。
「夢買い長者」の昔話をご存じのかたもあるでしょう。

さて、
明石の入道は夢のお告げによって源氏に迎えの船を出し、
朱雀帝は夢に見た先帝を恐れて源氏を都に呼びもどします。

源氏には都合のよい夢だったわけですが、
実際には不都合な夢を見てしまう人も多かったはず。
そんなとき頼ったのもまた神仏で、
よい夢と取り替えてもらうようにお祈りをしたのです。

江戸時代になると、夢を食べるからというので
いやな夢を見た翌日は貘(ばく)の札を枕の下に敷いて寝たそうです。
平安時代にはどんなおまじないがあったのでしょうね。