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白描 源氏物語

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【第三十帖】藤袴 (ふじばかま)

【第三十帖】藤袴(ふじばかま) 

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「朝日さす ひかりを見ても 玉笹の 葉分けの霜を 消たずもあらなむ」  
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ■□■ 現代語訳 ■□■  
「朝日さす光(帝のご威光)に接しても、 玉笹の葉分けの霜のような私を忘れないでください」(螢宮)  
■□■ 鑑賞 ■□■
玉鬘は思案に暮れています。 秋好中宮は、源氏の殿のご養女で義理の姉にあたり 弘徽殿女御(こきでんのにょうご)は、内大臣家の実の姉です。 (姉君たちと籠を競うなんて、とんでもないこと) しかしそんな玉鬘の思惑と関係ないところで、 帝の思召しもあり、尚侍への出仕が正式に決定します。 これが最後と、あきらめきれない君達から、恋文がたくさん届きました。 内大臣の父上は、髭黒大将(ひげくろのたいしょう)を婿にお望みなのですが、 既婚者で、しかもその北の方は、紫の上の異母姉妹にあたる人です。 何より、玉鬘がもっとも気乗りしない花婿候補でした。 玉鬘は、憎からず思ってきた螢宮だけにお返事なさいます。 「心から望む出仕ではございませんから、 あなたのことを決して忘れたりはしません」 さて、今なお玉鬘をあきらめきれぬのは、源氏の殿とて同じこと。 表向き宮仕えという形にして懸想心は人に気づかれぬよう ごまかそうという考えもありましたが、それも人には見抜かれていたようです。