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白描 源氏物語

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【第二十九帖】行幸(みゆき)

【第二十九帖】行幸(みゆき) 

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「うちきらし 朝ぐもりせし みゆきには さやかに空の光やは見し」  
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ■□■ 現代語訳 ■□■  
「朝曇りした雪空でございましたから。空の光…帝のお姿を拝することなど、 どうしてできましたでしょうか」(玉鬘)  
■□■ 鑑賞 ■□■
源氏の殿は玉鬘に強くひかれながらも仮に妻としたときの 周囲のわずらわしさを思わずにはいられません。 そこで源氏の殿は、玉鬘に尚侍(ないしのかみ)として宮仕えする ようおすすめになり、 十二月の冷泉帝の大原野行幸(おおはらのぎょうこう)のご見物に行かせます。 源氏の殿に瓜二つで見目麗しい帝に、玉鬘は心動かされますが、 まだ答えは出しかねていました。 「あの帝にお仕えできるのです。ご決心なさい」 源氏の殿は玉鬘の入内(じゅだい)を実現するために、 裳着(もぎ)の式(成人式)をご計画なさいます。 腰結(こしゆ)いの役は、内大臣をおいてほかはなく、 晴れて実の父子のご対面となりました。 近江の君は、玉鬘の宮仕えを羨ましがって、柏木の中将がたに不満を訴えます。 「そんなに出仕したいのならどうして私に相談しなかったのだ」 と、内大臣は近江の君をからかって面白がります。 「自分の娘を笑いものにするなんて、ひどいお父さまですこと」 と、また世間によくない噂が立ったそうです。