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  源氏物語メールマガジン >> 【27】いつきのみや

  【27】いつきのみや
 


     今回は伊勢の斎宮のお話です。

──────────────────────────────────
◆天皇の代理として
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「賢木(さかき)」の巻で、六条の御息所は
斎宮となった娘とともに伊勢に下っていきます。
斎宮は「さいぐう」あるいは「いつきのみや」と読み、
皇女のうち未婚のものが選ばれて派遣されました。

人物のほうを斎王(さいおう/いつきのみこ)、
その住まう建物のほうを斎宮というのですが、
しばしば斎王本人も斎宮と呼ばれます。

斎王は天皇が替わるたびに交代することになっていて、
『源氏物語』では桐壺の帝が譲位して
朱雀(すざく)帝が即位したのにともない、
前の東宮(源氏の異母兄)と御息所との間に生まれた姫君が
新たな斎王に選ばれています。


斎王となる女性は何回も身を清める儀式を行います。
「賢木」の舞台となる野の宮がその場所です。

その後、斎王は官人たちに付き添われて
五泊六日の旅程で伊勢に向います。
途中の旅泊地は近江国府、甲賀、垂水、鈴鹿、
壱志の五ヶ所に定められていました。

伊勢に到着すると斎王は斎宮に入り、
天皇の代理として伊勢神宮に奉仕します。
40名を超す女官と100名を超す官人が仕えて、
神に捧げる日々がずっとつづくのです。
斎王に選ばれるのは、本人はもちろん
親にとってもつらいものでした。
いつ都にもどれるかわからないからです。
日常の行動も自由が利かず、恋愛も禁止されていました。


──────────────────────────────────
◆恋する斎王
──────────────────────────────────

しかし『伊勢物語』にはずいぶん積極的な斎王が出てきます。
朝廷からの勅使をていねいにもてなした斎王、
その男から恋心を打ち明けられると、
お忍びで男の寝所を訪れてしまいます。

タブーを犯した禁断の恋であることはお互い承知の上。
翌朝、切ない和歌の贈答が行われます。


女)
君や来しわれや行きけむ思ほえず 夢かうつつか寝てか醒めてか

あなたがいらっしゃったのかわたしが行ったのか 覚えておりません
夢だったのか現実だったのか 寝ていたのか目覚めていたのかも


男)
かきくらす心の闇に迷ひにき 夢うつつとは今宵さだめよ

分別もなく心は闇に迷ってしまいました
夢だったか現実だったのかは 今宵逢って確かめてください



不祥事を起した斎王は辞めなければならず、
帰京しても不名誉な名は残りました。
この斎王はその後どうなったのでしょう。


『伊勢物語』の「昔男」が光源氏のモデルの一人だとは
よく指摘されるところですが、さすがに紫式部、
この大胆な斎王はモデルにしなかったようです。



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