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  源氏物語メールマガジン >> 【21】貴族の恋

  【21】貴族の恋
 


         出会いから結婚まで〈前〉

平安時代の男女はどのように出会い、結ばれたのでしょうか。

──────────────────────────────────
◆お嬢さまの恋
──────────────────────────────────

貴族の姫君は深窓の令嬢という言葉がぴったりで、
お屋敷の奥の部屋に住んでいました。
年頃になると父親や兄弟にも顔を見せず、
お出かけも輿(こし)や牛車の中でした。

ではどうやって世の男たちに自分の存在を
知らせることができたのでしょう。


大切なのはウワサでした。
どこそこのお屋敷に美人でかわいい姫君がいる、
才色兼備のお嬢さまがいる、そういうウワサが流れると、
いても立ってもいられない男たちが、
手紙を送ったりこっそり覗きにいったりしました。


男からの手紙には和歌が添えられています。
姫は顔も知らない相手に返事を書かないといけません。
気に入らなければ書かなくていいのですが、
失礼にならないよう気を遣うことが多かったようです。



姫は直筆の返事をなかなか書きませんでした。
最初のうちは侍女の代筆です。
侍女は世間を知っており、他家との交流もありましたから
手紙をよこした男についての情報も持ち合わせていました。

あの方は色好みで有名ですからおよしなさいとか、
顔はイマイチだけど出世しそうですとか、
さまざま助言をすることもあったのです。


──────────────────────────────────
◆歌の贈りあいから披露宴まで
──────────────────────────────────

直筆の手紙が交わされるようになっても、
女性は容易に心を許しません。
わざと気のない返事をしてみたり、しばらくは
歌を贈りあいながら相手が本気かどうか確かめました。

こんなときのために、和歌と書の練習は欠かせませんでした。
歌が下手で字も下手だったら、嫌われてしまうかも知れないのです。



いよいよ結婚となると、娘の父親の承諾を得ます。
 媒(なかだち)という仲人のような人が話を進めることもありました。

結婚式は今とおなじで、吉日を選びました。
日が暮れてから、男は供(とも)を連れて娘の家を訪れます。
男が娘のいる帳(とばり)に入ると、
ふたりに衾(ふすま=布団)が掛けられました。

一夜をともに過ごした翌朝、男は自宅に帰ってしまいます。
この段階では、まだ結婚は成立していないのです。

三夜連続で通ってきてはじめて、
男のほうが結婚の意志を示したことになりました。


三日目に行われるのが露顕(ところあらわし)という披露宴。
花婿は女性の家で用意しておいた烏帽子(えぼし)と
狩衣(かりぎぬ)を身に着けて、家族の前に姿を見せます。

この儀式が済むと、男はお婿さんとして
昼でも夜でも自由に訪問できるようになります。


(→後編につづく)




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