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白描 源氏物語

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【第二十五帖】螢(ほたる)

【第二十五帖】螢(ほたる) 

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にはかにかく掲焉(けちえん)に光(ひか)れるに、あさましくて、 扇(あふぎ)をさし隠(かく)したまへるかたはら目(め)、 いとをかしげなり。  
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ■□■ 現代語訳 ■□■  
急にあられもなくなるほど明るくされたので、
はっと驚いて、扇でお隠しになる横顔が、とても悩ましいのです。
 
■□■ 鑑賞 ■□■
源氏の殿の求愛から逃れたくて仕方ない玉鬘ですが、 螢宮(ほたるのみや)のことは、憎からずお思いのようです。 源氏の殿は、玉鬘にことわりもなく、螢宮への返書を侍女に代筆させ、 五月雨の夜にお招き寄せになると、 玉鬘のお部屋に螢を一斉に放ちました。 螢の光のなかに浮かび上がった玉鬘の美しさに、 宮はすっかり心奪われてしまいます。 玉鬘は養父である源氏の殿の自分への執心に苦しむばかりですが、 このごろ夢中になっている絵物語にも、 ご自分のような境遇の姫君は出てこないようです。 「物語に夢中とは。女君はよほどだまされるのがお好きらしい」 源氏の殿はお笑いになりながらも、こうおっしゃいます。 「歴史書は人間の一面を記録するに過ぎないが、 物語にこそ、人間の真実が描かれているものだ。 善も悪も、その過ちも愚かさも含め、作りものとばかりもいえないのです」 その頃、内大臣は、玉鬘がそうとは知らず、 夕顔の忘れがたみの撫子の姫君をお探させになっていました。
 
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