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白描 源氏物語

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【第十三帖】明石(あかし)

【第十三帖】明石(あかし) 

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「住吉(すみよし)の神、近き境(さかひ)を鎮(しず)め 護り(まも)たまふ。まことに跡(あと)を垂れたまふ神ならば、 助けたまえ」  
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ■□■ 現代語訳 ■□■  
「住吉の神、この近海を鎮めお護りになる神よ。 まことに本地垂迹(ほんじすいじゃく)の神 でおわすのなら、助けさせたまえ」(光源氏)  
■□■ 鑑賞 ■□■
上巳(じょうし)の節句の日から、突如吹き荒れた 暴風雨は静まることはなく、風雨をついて都から届いた紫の上 の切ないお手紙が、源氏の君の悲しみをかき立てます。 このまま世界が滅びてしまいそうな嵐と高波、雷鳴が轟く中で、 源氏の君は住吉の神に、さまざまの大願をお立てになります。 海が静まると、故桐壺院が夢見に立ち、 「須磨を去れ。住吉の神が案内するだろう」とお告げになります。 その夢告と時を合わせるかのように、 明石の入道が源氏の君を迎えにやってきました。 その頃、都でも不思議な事件が続いていました。 桐壺院の幻を見た朱雀帝は眼病を患い、 弘徽殿大后も思い病に伏せります。 「これも故院の遺言を守らずに、源氏の君を悲境に追いやった 報いなのか」帝は譲位の決意も固く、源氏の君召還の宣旨を お下しになります。残された明石の一族の思いは複雑でした。 源氏の君と結ばれた明石の君は、めでたく懐妊していたのです。